頭部外傷
【頭部外傷とは】
頭をぶつけることを「頭部打撲」「頭部外傷」と呼びます。 軽い「たんこぶ(皮下血腫)」から、
- 脳挫傷
- 外傷性くも膜下出血
- 急性硬膜下血腫
などの重症例まで幅広く、ぶつかった力の強さ・方向・部位・内服薬(血液をさらさらにする薬)などが影響します。
ここでは、
- 小児
- 高齢者
- スポーツで起こりやすい脳震盪
の3つに分けて解説します。
<小児の頭部外傷>
子どもは頭が大きく重心が高いため転倒しやすく、頭部外傷が起こりやすい特徴があります。
多くは軽症で後遺症を残すことは少ないですが、 外傷直後に症状がなくても、3〜10%でCTに異常が見つかることが知られています。 また、約1%は入院管理や外科治療が必要になることがあります。
- すぐに受診すべき症状
- 意識が悪い
- けいれん
- 手足の麻痺
- 複数回の嘔吐
- ぐったりしている
- 軽症の場合の判断
明確な受診基準はありません。 「いつもと様子が違う」と感じたら受診をおすすめします。 症状がなくても心配であれば受診して構いません。
- CT検査について
CTは有用ですが、被ばくの影響があるため小児では慎重に行う必要があります。 海外ではCTを行う基準があり、参考になります。
2歳未満
2歳未満
- 傾眠(声をかけないと目を閉じてしまう)
- 言葉や喃語が出ない
- 自発的に動かない
- 皮下血腫
- 5秒以上の意識消失
- 0.9m以上の転落
- 親が「いつもと違う」と感じる
- 傾眠
- 不穏
- 同じ質問を繰り返す
- 簡単な命令に従えない
- 意識消失
- 嘔吐
- 強い頭痛
- 1.5m以上の転落
<高齢者の頭部外傷>
高齢者は転倒しやすく、受け身が取りにくいため頭部外傷が増えています。
特に注意が必要なのは、 抗血栓薬(血液をさらさらにする薬)を内服している方 です。
- なぜ危険か
打撲直後は問題なくても、時間が経ってから頭蓋内出血が起こり、脳を圧迫することがあります。 そのため、抗血栓薬を飲んでいる方は、頭を打ったら必ず受診してください。
◯慢性硬膜下血腫にも注意
高齢者に多い病気で、
- 頭部打撲の 3〜6週間後 に発症
- 「高齢」「男性」「お酒をよく飲む」方に多い
- 主な症状
- 頭の重さ(頭重感)
- 片側の手足の脱力
- 物忘れが増える(認知機能低下)
<脳震盪(スポーツで多い頭部外傷)>
脳震盪とは、頭部打撲により脳の機能が一時的に低下した状態です。
- 主な症状
- 意識障害
- 頭痛
- めまい
- 吐き気・嘔吐
- 光・音に敏感
- 集中力低下
- 気分の落ち込み
<脳震盪の治療>
治療の基本は 安静 です。
- スポーツ復帰は厳格に
症状が残ったまま復帰すると、
- 再度脳震盪を起こすリスクが 3〜5.8倍
- 回復が遅れる
- 永続的な障害につながる
- 安静の目安
- 受傷後 24〜48時間は身体的・精神的安静
- パソコン・スマホ・ゲームは控える
- 症状が消えたら、図1の復帰プログラムに沿って段階的に運動再開
- 症状が出たら1段階戻る
- 順調なら約1週間で復帰可能
- 18歳以下
脳が発達段階のため、
- 原則14日間スポーツ禁止
- 学校生活の再開を優先
<最後に>
頭部外傷は、軽症に見えても後から症状が出ることがあります。 特に
- 小児
- 高齢者
- 抗血栓薬を内服している方
- スポーツで頭を打った方
は注意が必要です。
「少し心配」「いつもと違う」 そんな時は、どうぞ早めにご相談ください。 くさなぎ太陽クリニックでは、丁寧な診察と必要な検査で、安心につながる医療を提供します。