脳卒中

【脳卒中とは】

脳卒中とは、脳の血管が詰まる、または破れることで起こる病気の総称です。 代表的なものは以下の4つです。

  • 脳梗塞(血管が詰まる)
  • 一過性脳虚血発作(TIA)(一時的に血流が途絶える)
  • 脳内出血(脳の血管が破れる)
  • くも膜下出血(脳動脈瘤が破裂して起こる)

これらにより、

  • 半身麻痺
  • 言葉の障害
  • 意識障害
  • 視覚障害 など、さまざまな症状が突然出現します。

<1. 脳梗塞・一過性脳虚血発作(TIA)>

脳梗塞は脳卒中の 約60% を占める最も多いタイプです。 脳の血管が詰まり、数時間以上血流が途絶えると脳細胞が壊死します。

一方、TIAは一時的に血流が途絶えるものの、数時間以内に症状が消失します。 しかし、TIAは脳梗塞の前触れであり、早期受診が必須です。

脳梗塞は原因によって4つに分類されます。

① ラクナ梗塞

脳の細い血管が詰まるタイプ。 原因:高血圧・糖尿病・脂質異常症などの動脈硬化。

② アテローム血栓性脳梗塞

頸動脈や脳の太い血管が動脈硬化で狭くなり、血栓が詰まるタイプ。

③ 心原性脳塞栓

心房細動など心臓の病気でできた血栓が脳に飛ぶタイプ。 重症化しやすい。

④ その他の脳梗塞

例:脳動脈解離(血管の壁が裂ける) 比較的若い人にも起こり、脳梗塞だけでなくくも膜下出血の原因にもなります。


  • 動脈硬化が原因 → 抗血小板薬
  • 心房細動など心臓が原因 → 抗凝固薬
  • 生活習慣病の管理(高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満・禁煙・節酒)

<2. 脳内出血>

脳の血管が破れる病気で、脳梗塞より重症化しやすく、後遺症や死亡率も高いタイプです。


  • 高血圧(最も多い)
  • 喫煙
  • 飲酒
  • 脳動脈奇形
  • 硬膜動静脈瘻
  • 海綿状血管腫
  • もやもや病

  • 降圧療法(血圧を下げる)
  • 必要に応じて脳外科手術
      • ・開頭血腫除去術
      • ・定位的血腫除去術
      • ・脳室ドレナージ
      • ・神経内視鏡手術

< 3. くも膜下出血>

原因の多くは 脳動脈瘤の破裂 です。


  • 突然の激しい頭痛(「ハンマーで殴られたような痛み」)
  • 意識障害
  • 嘔吐
  • けいれん
非常に重症化しやすく、

  • 約1/3が死亡
  • 約1/3が後遺症
  • 約1/3が社会復帰可能
と言われています。

  • 高血圧
  • 喫煙
  • 遺伝(家族歴がある場合はMRI検査を推奨)

再破裂を防ぐため、

  • クリッピング術(開頭)
  • コイル塞栓術(カテーテル)

を動脈瘤の形や場所に応じて選択します。

<脳卒中の症状>

脳は部位ごとに役割が異なるため、障害される場所によって症状も変わります。

  1. 片側の手足・顔の麻痺
  • 力が入らない
  • 箸が使いにくい
  • 字が汚くなる
  1. 半身のしびれ

  軽症ではしびれのみ、重症では痛覚・温度覚など全感覚が障害。

  1. 言葉の障害
  • 言葉が出ない(失語)
  • 相手の言葉が理解できない
  • 呂律が回らない(構音障害)
  1. 立てない・歩けない・ふらつく

  小脳の障害で起こりやすい。 めまい・嘔吐を伴うことも。

  1. 視覚の異常
  • 片目が見えない
  • 物が二重に見える
  • 視野の半分が欠ける
  1. 経験したことのない激しい頭痛

  脳出血・くも膜下出血でよくみられる。

< FASTで脳卒中を見抜く>

米国脳卒中協会が推奨する簡単なチェック方法です。

  • F(Face):顔のゆがみ
  • A(Arm):腕が上がらない
  • S(Speech):言葉が出ない・呂律が回らない
  • T(Time):1つでも当てはまればすぐ受診

FASTの診断的中率は 約80% と言われています。

脳卒中

<脳卒中の診断>

脳卒中は突然発症するため、迅速な診断が重要です。

  1. 頭部CT
  • 急性期の脳出血を確認
  • 撮影時間:約5分
脳卒中2
  1. 頭部MRI
  • 急性期の脳梗塞を高精度で検出
  • 撮影時間:約20分
  • 被ばくなし
  1. 頸動脈エコー
  • 頸動脈の狭窄や動脈硬化を評価

<脳卒中の予防>

脳卒中は予防が最も重要です。 危険因子を管理することで発症率を大きく下げられます。

① 高血圧(最大の危険因子)

  • 血圧が高いほど発症率が直線的に上昇
  • 降圧療法で発症率を 30〜40%減少
  • 目標:130/80mmHg未満
  • 塩分制限が重要
② 糖尿病 血糖管理に加え、

  • 高血圧
  • 脂質異常症
  • 肥満
 などの包括的な管理が必要。

③ 脂質異常症

  • 動脈硬化を進める
  • スタチン治療で脳卒中発症が 23%低下
④ 心房細動

  • 血栓が脳に飛び脳梗塞を起こす
  • 発症リスクは 2〜7倍
  • 抗凝固薬の内服を検討
⑤ 喫煙

  • 血圧上昇
  • 動脈硬化促進
  • 脳梗塞・くも膜下出血の危険因子
  • 禁煙5〜10年でリスク低下
⑥ 飲酒

  • 多量飲酒 → 出血性脳卒中のリスク上昇
  • 適量:
      • ・男性:エタノール20g以下(ビール500ml、日本酒1合)
      • ・女性:10g以下

<最後に>

脳卒中は突然発症し、命に関わることもあります。 しかし、早期発見・早期治療・予防 によって、重症化を防ぐことができます。

「いつもと違う」「少しおかしい」 そんな時は迷わず受診してください。

くさなぎ太陽クリニックでは、 MRI・CTを含む迅速な検査体制で、脳卒中の早期診断に対応しています。

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