糖尿病
【糖尿病とは】
食事で摂った炭水化物は体内でブドウ糖に分解され、血液中を流れてエネルギー源として利用されます。 このブドウ糖を細胞に取り込むために必要なのが インスリン です。
糖尿病では、
- インスリンが十分に分泌されない(インスリン分泌低下)
- インスリンが効きにくくなる(インスリン抵抗性)
のどちらか、または両方が起こり、血糖が細胞に取り込まれず血液中にあふれてしまいます。 その結果、血糖値が慢性的に高い状態(高血糖) になります。
<糖尿病の症状>
糖尿病は、かなり血糖値が高くなるまで症状が出にくい病気です。
高血糖でみられる症状
- のどが渇く
- 水をよく飲む
- 尿の回数が増える
- 体重が減る
- 疲れやすい
治療せずに高血糖が続くと、血管が傷つき、さまざまな合併症を引き起こします。
<糖尿病の主な合併症>
高血糖が長期間続くと、全身の血管や神経が障害されます。
1. 糖尿病性網膜症
網膜の血管が傷つき、
- 出血
- むくみ
- 新生血管(もろい血管)が発生
- 網膜剥離
2. 糖尿病性神経障害
末梢神経が障害され、
- 手足のしびれ
- 冷え
- こむら返り
- 立ちくらみ
- 排尿障害
- 下痢・便秘
- 勃起障害
3. 糖尿病性腎症
10〜15年以上の高血糖で腎臓の血管が障害され、腎機能が低下します。 進行すると慢性腎臓病や腎不全に至り、透析が必要になることもあります。 日本では透析導入原因の約4割を占めます。
<糖尿病の種類>
- 1型糖尿病
膵臓からインスリンがほとんど出なくなる病気です。 インスリン注射が必須 で、インスリンなしでは生命維持ができません。
- 2型糖尿病
最も多いタイプで、
- インスリンが出にくくなる
- インスリンが効きにくくなる
<検査・診断>
以下のいずれかを満たすと「糖尿病型」と判定されます。
- 血糖値
- 空腹時血糖値:126mg/dL以上
- 随時血糖値:200mg/dL以上
- HbA1c
- 6.5%以上
<治療>
治療の目的は、糖尿病があっても健康寿命を保つこと。 そのために、血糖値を適切に管理し、合併症を防ぐことが重要です。
治療の柱は
- 食事療法
- 運動療法
- 薬物療法
です。
① 食事療法
糖尿病治療の基本です。 適正なエネルギー量で、バランスよく、規則正しく食べることが大切です。
- 食事のコツ
- ゆっくりよく噛んで食べる
- 朝・昼・夕を規則正しく
- バランスよく食べる
- 腹八分目
- 夜遅くに食べない
- アルコールは1日20gまで
- 間食は80kcal程度を日中に(夕食後は避ける)
- 必要エネルギー量の計算
1日の適正エネルギー量(kcal) = 目標体重(kg) × エネルギー係数 目標体重=身長(m) × 身長(m) × 22 例:身長165cm、デスクワーク中心 目標体重=1.65×1.65×22≒60kg エネルギー係数(軽い労作)=25〜30 → 1500〜1800kcal/日
- 栄養バランス
主食・主菜・副菜・乳製品・果物を組み合わせて、さまざまな食品を摂りましょう。 糖尿病だから「食べてはいけないもの」はありません。 無理なく続けることが最も大切です。
② 運動療法
運動は、
- インスリン抵抗性の改善
- 血糖値の低下
- 体重管理
- 有酸素運動
歩行・ジョギング・水泳など → 継続でインスリンが効きやすくなる
- レジスタンス運動
スクワット・腹筋・ダンベルなど → 筋肉量が増え、血糖改善に効果的 有酸素運動+レジスタンス運動の併用が最も効果的です。
③ 薬物療法
薬は大きく4つの働きに分類されます。 ⅰ)インスリンを補う薬(注射) インスリン製剤を使って補います。 ⅱ)インスリンを出しやすくする薬(飲み薬・注射)
- スルホニルウレア薬
- 速効型インスリン分泌促進薬
- DPP-4阻害薬
- GLP-1受容体作動薬(飲み薬・注射)
- ビグアナイド薬
- チアゾリジン薬
- α-グルコシダーゼ阻害薬
- SGLT2阻害薬
<治療の目標>
合併症を防ぐために、 HbA1c 7%未満 が目安とされています。
<最後に>
糖尿病は「生活の中で付き合う病気」です。 がんばりすぎると続かなくなるため、できることから少しずつ が大切です。
- 食事
- 運動
- 血糖値の記録
- 主治医・看護師・薬剤師との連携
これらを続けることで、合併症を防ぎ、健康的な生活を送ることができます。
不安なことがあれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。 くさなぎ太陽クリニックは、患者さんの生活に寄り添いながら治療をサポートします。