睡眠時無呼吸症候群
【睡眠時無呼吸症候群とは】
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、睡眠中に呼吸が止まる、または弱くなることで、日常生活にさまざまな障害を引き起こす病気です。
睡眠中に十分な酸素が取り込めない状態が繰り返されるため、
- 日中の強い眠気
- 集中力の低下
- 倦怠感
などが生じます。
さらに、脳卒中・心臓病との関連が強いことも分かっており、放置すると重大な健康リスクにつながる可能性があります。
<睡眠時無呼吸症候群の主な原因>
仰向けで寝ると、誰でも重力の影響で舌が落ち込み気道が狭くなりますが、以下の要因があると気道がさらにふさがれやすくなります。
① 加齢
筋力が低下し、舌が落ち込みやすく(舌根沈下)、気道が狭くなります。
③ 扁桃肥大
首まわりに脂肪がつくことで気道が圧迫され、狭くなります。
② 肥満
扁桃が大きいと、物理的に気道が狭くなります。
<睡眠時無呼吸症候群の主な症状>
仰向けで寝ると、誰でも重力の影響で舌が落ち込み気道が狭くなりますが、以下の要因があると気道がさらにふさがれやすくなります。
① 夜間の症状
最も特徴的なのは 大きないびき です。
いびきは、睡眠中にのどの筋肉が緩み、舌が落ち込んで気道が狭くなることで、周囲の組織が振動して起こります。
- 慢性いびき症の約30%に睡眠時無呼吸が存在
- 睡眠時無呼吸症候群の90%以上にいびきがある
- いびきがうるさい
- 睡眠中に呼吸が止まる
- 寝汗をかく
- のどが渇く
- 夜中に何度も目が覚める
- トイレに何度も起きる
- 動悸で目が覚める
- 夜間の頭痛
- 寝苦しい
② 昼間の症状
呼吸が止まることで酸素不足が起こり、睡眠の質が低下します。
その結果、
- 目覚めがすっきりしない
- 日中の強い眠気
- 集中力の低下
- 倦怠感
- 起床後の頭痛・肩こり
- 起床時の血圧が高い/低い
<睡眠時無呼吸症候群の主な合併症>
睡眠時無呼吸症候群は、以下の重大な病気のリスクを高めます。
- 脳卒中:3.51倍
- 心不全:4.3倍
- 虚血性心疾患
- 不整脈
- 糖尿病
- 突然死
睡眠中の無呼吸は、全身の臓器に大きな負担をかけるため、早期の診断と治療が重要です。
<睡眠時無呼吸症候群の検査>
睡眠時無呼吸症候群の検査には 簡易検査 と ポリソムノグラフィ(PSG) の2種類があります。
① 簡易検査
ご自宅で行える検査です。 指先センサーと呼吸センサーを装着し、
- 血中酸素濃度
- 呼吸状態
② ポリソムノグラフィ(PSG)
簡易検査で疑いがある場合に行う精密検査です。 従来は入院が必要でしたが、最近は自宅で行えるケースも増えています。
- 診断基準
10秒以上の呼吸停止(無呼吸)または低呼吸が、 1時間あたり5回以上(AHI ≥ 5) で睡眠時無呼吸症候群と診断します。
重症度分類
- 軽症:AHI 5〜14
- 中等症:AHI 15〜30
- 重症:AHI 30以上
<睡眠時無呼吸症候群の治療>
睡眠時無呼吸症候群の治療は、主に以下の方法があります。
- CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)
鼻や口に装着したマスクから空気を送り、気道が狭くなるのを防ぐ治療です。 最も効果が高く、標準的な治療法です。
- マウスピース療法
下あごを前に出す形のマウスピースを装着し、気道を広げる方法です。 軽症〜中等症の方に適しています。 ※歯科での作成が必要です。
<最後に>
睡眠時無呼吸症候群の有病率は 3〜20% と報告されており、 仮に3%と仮定しても、日本には 300万人以上 の患者さんがいる計算になります。
しかし、実際に診断・治療を受けている方はまだ多くありません。
- いびきを指摘された
- 睡眠中に呼吸が止まっていると言われた
- 日中の眠気が強い
- 朝すっきり起きられない
こうした症状がある方は、一度検査を受けてみることをおすすめします。 早期に治療を行うことで、生活の質が大きく改善し、重大な病気の予防にもつながります。